右派オランダ内閣が崩壊、就任からわずか11か月で

オランダの右派内閣が崩壊した。閣僚が就任してからわずか11か月、前回の総選挙から18か月後のことだった。

極右政党PVV(自由党)の党首ヘルト・ウィルダースは、火曜日の朝に連立を解消したと発表。連立を形成しているほかの3党が、PVV党が掲げる「史上最も厳しい移民制度」と、1週間前の記者会見で発表した10項目の計画を支持しなかったことを理由に挙げた。

「我々の移民計画に署名がなければ、連立合意に変更もない。PVVは連立から離脱する」と、ウィルダースはSNS上で発言した。

ディック・スホーフ首相は、同日中に国王に辞意を表明するとみられている。新たな選挙は今秋まで行われない見通し。

10項目計画と連立崩壊までの経緯

ウィルダースは先週の記者会見で、移民制限のための10項目の計画を発表。その内容には、国境警備に軍隊を動員すること、難民施設の閉鎖、そしてすべてのシリア人難民を帰国させることなどが含まれていた。

月曜日には、他の3党の党首に「計画に署名し、数週間以内に一部の施策を実現するように」と要求。応じなければ連立を離脱すると通告していた。

4党は月曜夜と火曜朝に再協議を行ったが、火曜朝、ウィルダースは正式に連立離脱を表明した。

他の連立政党の反応

BBB(農民市民運動)ウィルダースの行動を「無責任だ」と非難。NSC(新社会契約)党は、この決定を「理解不能」とコメントした。第二与党VVD(自由民主党)も「党間に意見の相違はなかった」と強調し、「非常に怒っている」と発表した。

野党の反応

野党の党首らは、今回の内閣崩壊を歓迎している。CDA(キリスト教民主党)は「この1年は政治的素人の年だった。オランダは停滞してしまった」と述べ、「PVV、VVD、NSC、BBBはいずれも国のためでなく、自分たちの都合で動いていた」と強く批判した。

D66(民主66)はこの18か月間は内紛と危機に満ちていたと述べた。「大きな課題については、ほとんど前進がなかった」とし、「他の連立政党はウィルダースの人質になっていた」と指摘した。

オランダでは内閣が崩壊しても、通常は閣僚が暫定的に職務を続ける。しかし、ウィルダースは火曜日朝、PVV所属の閣僚全員が即座に辞職すると述べている。