若者は飲食業界で働きたくない。

オランダの飲食業界は現在、深刻な人手不足に直面している。特に25歳以上の若年層が業界から離れていることが大きな問題となっている。カフェやレストラン、ホテルなどで約30,000件の求人が依然として埋まらず、従業員の入れ替わりが激しく、新規の人材の流入が滞っている。
この業界の変化は顕著で、多くのカフェやレストランが大手の飲食グループに買収され、セルフオーダーやセルフレジが一般的になっている。また、従業員不足が原因で、営業日や営業時間を縮小する飲食店が増えている。例えば、朝食やランチを提供しない店舗や、月曜日から水曜日まで休業する店舗もある。ホテルも同様に、バーやレストランを縮小せざるを得ない状況だ。
特に懸念されているのは、飲食業界における従業員の年齢層の変化だ。従業員が25歳で業界を離れることが多く、現在では飲食業従業員の12%しか25歳から35歳の年齢層が占めておらず、コロナ前の20%から大きく減少している。この年齢層は、業界内でキャリアを築く人が多いため、重要な人材層とされているが、現在はその層が消えかかっている。
また、飲食業の教育機関でも学生数が減少しており、特にMBO(職業教育)やHBO(高等職業教育)での飲食業へのコースの入学申し込みが減少している。2020年以降、申し込みは15%減少しており、この傾向は加速している。にもかかわらず、飲食業の資格は安定した就職を保証するとされており、MBOの飲食業学生の91%は卒業後1年以内に正社員として働いている。
さらに、飲食業の人手不足は、フリーランスや呼び出し契約者に依存していたことも影響している。これらの契約形態は、特にピーク時やイベント時に重要であったが、2027年からはより厳しく規制される予定だ。この規制が進む中で、特に欧州以外から従業員を呼び入れることが禁止されたアジア系料理店などが影響を受けている。
新たな規制により、柔軟な契約形態での働き方が制限され、業界内での人手不足問題はさらに悪化する可能性がある。