EU、域内市場強化へ規制緩和 スーパーの海外仕入れ解禁も検討

欧州委員会は、企業活動を妨げている数々の規制を見直し、EU域内市場を強化するための改革案を発表した。これには、スーパーマーケットがより安価な商品を他国から仕入れることを可能にする規制緩和が含まれている。現在は、同一EU内でも国境を越えた仕入れに厳しい制限があるため、消費者が不必要に高い価格を支払わされている状況がある。

欧州委員のフークストラ氏は、「市場の支配力を使って価格を人為的に高止まりさせている事例がある」とし、これらは消費者の利益に反していると指摘。ベルギーではリンゴソースがオランダより安いにもかかわらず、オランダのスーパーは仕入れができない現状を例に挙げ、規制緩和の必要性を訴えた。

また、職業資格や製品表示などの規格が国によって異なることも、企業の他国進出の障壁となっている。例えば、オランダで資格を取得した理学療法士が他国で再教育を受けなければならないという問題も存在する。

これらの制度的障壁が、企業のEU域内拡大を妨げ、逆に中国やアメリカへの競争力低下を招いているという懸念もある。欧州委員会は、こうした問題への対応として「Terrible Ten(最悪の10の規制)」の見直しを進め、企業活動を促進し、欧州経済全体の競争力を高めることを目指している。