UNICEF: 子どもの幸福度、オランダ再び首位に

世界で一番子どもの幸福度が高い国として知られているオランダだが、ユニセフが今年発表したレポートでオランダは再び首位となった。国連の子ども権利機関であるユニセフは43か国を比較し、どの国よりもオランダの子どもたちの平均的な幸福度が高いことが明らかになった。この調査では、心身の健康、社会的スキル、学業成績などが評価の対象となっている。

しかし、これは単純に喜んでいい結果ではない。ユニセフは注意喚起もしている。

子どもの幸福度の現状

ユニセフは2018年と2022年のデータを比較し、ここ数年で子どもの幸福度が「著しく低下している」と指摘した。特にコロナ禍の影響が大きく、オランダでも読解力や計算能力といった学力が低下し、太り過ぎの子どもの割合も17.6%にまで増加した。

それでも、子どもたちの「全体的な満足度」は高い水準を維持している。調査対象の国々の中で、オランダの15歳児の87%が「自分の生活に満足している」と答えており、これは調査国中で最高の数値でした。

貧困と青少年福祉への警鐘

ユニセフは、オランダがこの結果に安住してはいけないと強調している。教育への投資、機会の平等、図書館、プール、スポーツ、文化活動への支援は引き続き不可欠であるとし、「これらは良好なスコアを維持するためにすべて不可欠です」と述べている。特にユニセフは、貧困家庭の子ども、児童福祉施設にいる子ども、難民センターにいる子どもなど、脆弱な立場にある子どもたちへの配慮が必要だと指摘している。

「子どもが育つのに最も適した国」オランダ

なお、オランダが子どもの幸福度で高評価を得たのは今回が初めてではない。2020年の調査でもオランダは首位を獲得し、当時ユニセフは「子どもや若者が育つのに最も適した国はオランダである」と結論づけている。デンマークとノルウェーがそれに続いて2位と3位だった。