長崎で被爆したオランダ人捕虜の追悼式

第二次世界大戦中に長崎市で強制労働をさせられ、米国の原爆によって命を落としたオランダ人戦争捕虜を追悼する特別な式典が行われた。場所は、かつての福岡第14B捕虜収容所跡に建てられた記念碑前。オランダから31名の遺族が参加し、多くが現地を訪れるのは初めてだったという。

記念碑には平和の象徴である折り鶴が刻まれ、現地の日本人参加者との「和解の瞬間」とも形容された。多くの遺族が原爆で家族を失った痛みや沈黙の歴史を語り、故人の記憶を次世代へと繋ぐ意義が強調された。

式典には、各国の軍関係者や日本の国会議員、在日オランダ政府代表らも出席し、平和と歴史の記憶を共有する場となった。特に、核兵器廃絶を訴える被爆者団体・日本被団協がノーベル平和賞を受賞した直後でもあり、注目が集まった。

現在、世界的に核の脅威が高まる中で、記念式典の発起人であるロブ・スハウテン氏は、「戦争と核の悲劇を忘れないことが、未来への警告になる」と訴えた。