缶やボトルのデポジット狙いでゴミ箱破損による被害増大

道路や停留所に置かれているゴミ箱が開けられて、中身が外にばらまかれているのを最近よく見かけるようになった。デポジット代の回収する目的で空き缶やペットボトルを探すために、ゴミ箱があさられるのだ。オランダでは、ほとんどの缶やペットボトルにデポジット代がついて販売されており、これを店舗に返却するとそのデポジットが戻って来る仕組みとなっている。デポジット代を無視してそのまま空き缶やペットボトルをゴミ箱に捨てる人が多いので、これを狙ったゴミ箱あさりが横行している。
ゴミ漁りとゴミ箱壊しの被害が大きいのは、アムステルダム、ロッテルダム、ユトレヒト、そしてハーグという大都市だ。ゴミ箱を壊されゴミが散乱し、これを清掃するのに莫大な金額がかかる。これらの都市だけでは毎年940万ユーロがゴミ箱の修理と清掃にかかっているという。ロッテルダムだけでも損害金額は230万ユーロにのぼるという。
イベント会場でも大量に捨てられる缶やペットボトルを狙うゴミ漁りが増えているが、会場組織がゴミ回収車を走らせ先にボトルを回収するという対策をとっているところもある。ゴミ箱にはデポジットがついていないものだけが捨てられるので、壊される心配がない。
調査によれば、これらの都市ではゴミ箱5個のうち1個は壊されているという。ゴミ漁りをする人は数時間で10ユーロから25ユーロのデポジット代を稼いでいるというが、そもそもこれをしなければ生活が成り立たないという社会的な問題も隠されている。