投資家による賃貸住宅の大量売却で住宅価格下落

2025年第1四半期、オランダでは投資家が小規模な賃貸住宅を大量に売却したことにより、住宅の平均価格は約2%下落した。ただし、平均価格は47万3,000ユーロ(7500万円)で、前年同期と比べて約10%高い水準にある。

アムステルダム、ロッテルダム、デン・ハーグ、ユトレヒトでは、売却された住宅のうち40%が元賃貸住宅であった。この動きによりランドスタット地域( オランダ西部)では供給に若干の余裕が出ているが、オランダ東部では住宅不足が依然として深刻である。

住宅価格は下落しているが、買主は平均して4%以上の上乗せ価格で購入しており、取引の約70%でオーバービッド(提示価格より高い価格までせりあげる)が発生している。売りに出された物件の半数以上が1か月以内に売却されている。

投資家による売却は今後も続く見込みである。2024年には賃貸目的で保有されていた住宅が約3万7,000戸売却されたが、2025年はそれを上回ると予測されている。背景には、中間層向けの家賃規制、一時的賃貸契約の廃止、資産課税の見直しといった要因がある。

新築住宅に関しては供給が鈍化しており、2025年第1四半期の販売戸数は約6,740戸と、前年と同水準にとどまった。一方で、新築アパートの供給は大きく増加している。

地域別に見ると、最も価格が高いのはGooi Vecht地域(平均60万6,000ユーロ)であり、最も低いのはゼーラント州フラームス地方(29万1,000ユーロ)である。東部の一部地域では前年比15%以上の価格上昇が確認されている。

なお、30万ユーロ以下の手頃な価格の住宅は全体の13%にとどまり、75万ユーロ超の高価格帯の住宅の割合は14%に達している。