ファーバー移民大臣、難民保護庁ボランティアへの王室勲章授与に反対、議会で「オランダの恥」と総スカン

難民・移民政策に厳格な態度をとるファーバー移民省大臣(極右PVV党)は3月30日、難民支援を行うCOA(難民庁)のボランティアへの王室勲章の授与を拒否した。理由は、「彼らの活動が自分の難民削減政策に反する」ためだとし、物議を醸している。4月1日の議会でも野党だけでなく連立党の中でも、ファーバー大臣への批判が高まった。議会では「政治信念を勲章に持ち込むのは非常識」との怒りが爆発。「あなたはオランダの恥だ」という発言も出ており、野党が不信任動議を出す構えである。

ファーバー氏は過去に「難民はほとんど偽物」「AZC(難民保護施設)はテロリストの温床」などの発言歴があり、信頼性を疑問視する声が再燃している。

ファーバー大臣の署名拒否は、移民政策を巡る価値観の衝突を露呈させただけでなく、「内閣としての一体性が保てないのでは?」という懸念を生んでいる。

この一件は、ブレグジットやヨーロッパ全体の反移民ムード、そして極右化とも連動しており、オランダに限らずEU全体に波及しうる論点である。