オランダ中央銀行改装完了、一般公開

アムステルダムのフレデリクス広場に位置するオランダ中央銀行(DNB)がリニューアルされた。中央銀行はアムステルダムで最も見苦しい建造物として有名だった。一般公開された「De Nieuwe Schatkamer」(新しいい宝物殿)は、建築事務所メカノー(Mecanoo)による大胆かつ見事な改修によって、新たな名所となるだろう。ただし外側は以前と変わっていない。

この宝物庫では、芸術作品や貨幣コレクション(ヌミスマティック・アート)に加え、金や経済、DNBの歴史にまつわる展示物が公開されている。元々金塊が保管されていた金庫室が改装され、訪問者はそこから奥にある光あふれる100メートルの大ホールへと進む。

このホールは壮大で、来場者はここでコーヒーを飲んだり、新聞を読んだり、建築を楽しんだりできる空間となっている。設計者フランシーヌ・ホウベンは、1968年に建築家ダウンティエによって設計された元の建物に敬意を表しつつも、大胆な光と空間の再構築を実現した。

特徴的なのは、ダウンティエ設計の重厚な柱や曲線を描くオーク材の螺旋階段。また、Mecanooは現代的な感覚で同様の階段を明るい木材で新設し、全体のデザインに調和を持たせた。

屋上には従業員専用の庭園と菜園があり、最上階には自由に集まれるバーと会議室が整備されている。そこからは晴れた日にユトレヒトの大聖堂や西の砂丘まで見渡せる、アムステルダム随一の眺望を誇る。

DNBはこの大規模リノベーションを通じて、銀行を市民に開かれた場所へと転換。以前は厳重なフェンスに囲まれた“刑務所”のようだった印象から、今では自然と調和した憩いの空間へと変貌した。

ただし一般公開されているのは一部に限られ、全体が公開されるのはオープンモニュメントデーやオープンタワーデーのみとなっている。

画像:DNB