KLM 予約不可能な広告で数年にわたり消費者を偽る

オランダの広告規制委員会(Reclame Code Commissie、RCC)は、KLMがロイヤルティプログラム「Flying Blue」の会員に対し、実際には予約できない特典航空券の広告を出していたと判断を下した。
顧客の苦情
アムステルダム在住のF氏は、Flying Blueの特典を利用してソウルからアムステルダムへの割引航空券を予約しようとした。しかし、必要なポイントが足りなかったため追加購入したものの、実際には割引価格での予約が不可能で、通常の高額なポイント数でしか購入できなかった。何度もカスタマーサポートに問い合わせても解決せず、広告は表示され続けていたという。
同様の問題が多数発生
FlyertalkやRedditなどの消費者のフォーラムでは、過去にも同様の苦情が多数報告されている。予約しようとすると突然必要なマイル数が倍増したり、システムエラーで予約できなかったりするケースが頻発していた。
KLMの対応
KLMは、Flying Blueの特典航空券の一部が、パートナー航空会社(例:エールフランス)との混在便の場合に技術的な問題で予約できないことを認めた。しかし、「意図的ではない例外的な事例」と主張し、問題が解決するまでこのような特典オファーを一時停止すると発表した。
広告規制委員会の判断
広告規制委員会は、Flying Blueの特典航空券が十分に用意されておらず、売り切れ後も広告が削除されていなかったことを問題視。KLMに対し、
- 実際に予約可能な特典のみを提供する
- 売り切れた場合は速やかに広告を取り下げる
といった対応を求めた。
クレームをしたF氏
KLMは最終的に同氏の航空券予約を認め、追加購入したポイントの払い戻しも行った。しかし彼は、「過去に同じ問題で被害を受けた多くの利用者が補償されていないのは恥ずべきことだ」とKLMの対応を批判している。