郵便物は取りに行くのが一般化する?

手紙の配達で赤字を抱えているオランダ郵便PostNLは、、政府に郵便法の改正を求めている。現在、手紙の量は毎年約10%減少しているが、法律により、PostNLは平日ならほとんどの手紙を24時間以内に配達しなければならない。特に人口の少ない地域では、この義務がコスト増につながっており、2023年の利益は前年比3分の1に減少し、1800万ユーロとなった。

経済専門家は、配達にかかる時間を延長し、自宅への配達を減らすことが合理的だとしている。実際、フランスやドイツ、ベルギー、デンマークではコスト削減のために配達時間を2〜3日に延長しており、PostNLも同様の措置を政府に提案した。しかし、政府は現時点で郵便法を変更する予定はなく、PostNLへの財政支援も行わない方針を示している。

一方で、DHLなどの競合企業が台頭しており、DHLは50グラム以上の手紙を24時間以内に配達すると公言している。DHLは都市部など利益が見込める地域を選んで配達できるが、PostNLは全国規模でのサービスを義務付けられているため、競争が厳しくなっている。

また、PostNLやDHLはコスト削減のため、パッケージ自動受取機の設置を拡大しており、消費者が自宅ではなく、サービスポイントで荷物を受け取る機会がますます増えだろう。専門家は、「オランダの消費者は自宅配送に慣れすぎているが、今後は自分で荷物を取りに行くのが一般的になるだろう」と指摘している。