ウクライナ戦争:オランダの派兵と徴兵制度

17日欧州の指導者たちはウクライナへの平和維持部隊派遣の可能性について緊急会議を開いた。会議では同意には至らなかったが、EUがウクライナへの派兵を決定すると、オランダも派兵することになる。今この時点でオランダの徴兵制度がどのようになっているのだろうかと、今更ながらわかっていないオランダ人が多いという。

  1. オランダの徴兵制度は廃止されていない
    現在もオランダ国籍を持つ17歳から45歳の男女に徴兵の義務はあるが、1997年以降、実際に軍に召集される「出頭義務」は停止されている。ただし、戦争などの非常時には政府が徴兵を再開する可能性がある。
  2. 誰が徴兵対象となるのか?
    オランダでは18歳になると自動的に徴兵登録される。ただし、実際に召集される場合はまず健康診断を受けて合格しなければならない。この制度は2020年から女性にも適用されており、王女アマリアも対象となる世代に含まれる。
  3. ウクライナ戦争の影響で徴兵が再開される可能性は?
    元軍司令官のマルト・デ・クライフ氏によれば、現時点で徴兵が再開される可能性は低い。理由として、現代の軍事作戦には高度な訓練を受けた兵士が必要であり、徴兵された人々を即戦力にするのは難しいこと、さらに装備や施設が不足しているため、大規模な動員は現実的でないことが挙げられる。
  4. オランダに避難したウクライナ人を徴兵できるのか?
    一部の人々(PVV党首のヘルト・ウィルダースなど)は、オランダにいるウクライナ人を本国へ送り返して戦わせるべきではないかと主張している。しかし、デ・クライフ氏は、彼らの事情を考慮せず一括りにするのは適切ではないと指摘する。健康上の理由や家庭の事情で徴兵を免除されている人も多いからだ。

また、根本的な問いは「ウクライナ人を前線に戻せば戦争が終わるのか?」だ。デ・クライフ氏は、「オランダは、独裁者(ロシア)によってウクライナが消滅することを許すのか、それとも何らかの形で関与するのかを考えるべきだ」と述べている。