アムスのホテル深刻な人手不足。履歴書不要、住居つきの募集も。

観光客が押し寄せるオランダのホテル業界では人手不足が深刻化しており、新規開業を控えたホテルは独自の工夫を凝らしてスタッフ確保に取り組んでいる。特に労働移民の確保が不可欠となっているという。
ローズウッド・ホテルの取り組み
アムステルダムのプリンセン運河に新しく開業する最高級ホテル「ローズウッド」は、2025年春のオープンに向けて約100人のスタッフを追加募集している。
このホテルでは、労働環境の魅力を高めるため、以下のような特典を提供している。
- 週36時間勤務で38時間分の給与支給
- 学習・休暇・家族支援に使えるボーナス制度
- フレキシブルな勤務スケジュールの選択
- キャリアアップのための研修プログラム
ホテル業界では依然として労働力不足が続いており、特に厨房スタッフやホールスタッフ、ロビー担当、ドアマンの確保が課題となっている。
また、ホテルは国境を越えた採用にも力を入れており、海外からの労働者には短期滞在用の住居を提供し、住まい探しのサポートも行うという。
マリティム・ホテルの新たな採用戦略
アムステルダム北部に新しく開業する「マリティム・ホテル」は、約500人のスタッフを募集しているが200のポジションが埋まっていない状況だ。
このホテルでは、単なる雇用にとどまらず、従業員のキャリア形成を支援する取り組みを強化している。
- 学費支援や研修制度を活用し、長期的なキャリア形成を支援
- 特にソムリエやホテルマネージャー志望者を積極的に育成
- 発達障害(ADHD・自閉症)を持つ人々や、オランダ語・英語が話せない求職者の受け入れを推進
ホテル業界の人手不足は依然として深刻だが、各ホテルは従業員の働きやすさを重視し、多様なバックグラウンドを持つ人々に門戸を開くことで、人材確保を進めている。