アンネ・フランクの家の複製がニューヨークに

第2次世界大戦中、ナチス・ドイツがユダヤ人を中心におよそ110万人を虐殺したアウシュビッツ強制収容所の解放から80年目となった1月27日、オランダやドイツだけでなく世界で追悼式典が行われた。アメリカにも被害者やその子孫は多く住んでいて、式典に参加した人も少なくない。

アンネ・フランクが隠れていたアムステルダムの通称「アンネ・フランク・ハウス」が、ニューヨークで正確に再現され、展示が開始された。来館者は、この再現された隠れ家を歩きながら、アンネと家族の日常を感じることができる。

アムステルダムのアンネ・フランクの家が提供する展示には、アンネの成長を示す壁の鉛筆のメモも含まれており、家族の歴史を伝える貴重な品々も展示されている。例えば、アンネの親が友人に預けた食器や、オットー・フランクがアメリカに行くために持っていた旅行カバンなどがある。

再現された隠れ家には、ナチスに奪われた家具も配置されており、アンネが使っていた赤い靴や、フリッツ・フェッファーが持ち込んだ道具なども展示されている。さらに、アンネの有名な日記のコピーや、フェッファーが使っていたスペイン語の教科書も紹介されている。

この展示は、ニューヨークの人々にアンネ・フランクの歴史を深く伝えることを目的としており、アムステルダムの展示よりも多くの新しいアイテムを紹介している。アムステルダムでは展示できなかった物も含まれており、展示はアメリカにおけるアンネ・フランクの象徴的な存在感を強調している。

また、展示は単にアンネの住んでいた空間だけでなく、ナチスによるユダヤ人迫害の歴史を伝える展示も行われている。アンネ・フランクの物語は、激化する反ユダヤ主義に対する警鐘として、現代においても非常に重要なメッセージを伝えているという。

展示は2025年4月30日までニューヨークで行われ、その後、他のアメリカの都市に巡回する可能性もある。