グリーンピース、政府の窒素対策に勝訴

オランダの現政権(極右政党が筆頭)は環境政策にほとんど力を入れていない。前政権で窒素排出量を減らす政策を進めていたがこれを覆していた。これに対し環境保護団体であるグリーンピースが政府を相手取り訴訟を行った。
この訴訟でグリーンピースが勝訴し、オランダ政府は2030年までに全国の窒素排出量を最低22%削減するよう命じられた。この判決により、政府は目標達成を怠ったとして10億ユーロの罰金を科せられる可能性がある。グリーンピースは、この訴訟を通じてオランダの自然保護区域(Natura 2000)の保護強化を求めていた。
ハーグの裁判所は、農業大臣フェムケ・ウィルスマと現政府が、前政府の政策を放棄し、新たな具体的な政策を提示しなかったことを強く非難した。
特に窒素汚染がオランダの自然に大きな脅威を与えており、政府は既存の法律に基づき、2030年までに最も影響を受けた自然区域を安全な窒素基準に戻すよう義務づけられた。
オランダの政府はすでに2021年に国内法で窒素削減の期限を定めており、2025年までに40%、2030年までに50%、2035年までに74%の自然区域を窒素汚染から守ることが求められていた。
農業セクターが最も多くの窒素を排出しているため、効果的な対策が取られにくい状況が続いている。特に、畜産業への影響を避けるため、政治は窒素削減に消極的であり、グリーンピースは法的手段を取ることを決定した。