オランダ、生活は向上するが、つながりが減る

オランダ住民の仕事や自由時間の質は向上する一方だ。可処分所得は増え、失業率は低下している。ただ都市部住民は住民同士や家族、そして友人とのつながりが希薄になっているのも確かだ。

オランダ中央統計局(CBS)は毎年オランダ人の生活の質(クオリティ・オブ・ライフ)を地域ごとに調査している。調査内容は、健康、環境、住居そしてお金である。結果を見るとほとんどのオランダ住民の生活は向上している。

しかし、それだけでは全体像を語れない。「ほとんどの自治体で、生活に必要な施設へのアクセスが遠のき、多くの自治体で問題を抱える登録債務者の割合が増加している」。とCBS

都市部では人とのつながりが希薄に

都市部では、必ずしも生活が快適とは言えない。「都市部の住民は、家族、友人、隣人との接触が少なく、ボランティア活動や社会生活への満足度が減少している。」

一般的に、生活の質は都市部よりも田舎の方が良好だ。ユトレヒト州、アイントホーフェン大都市圏、中部オーファーアイセル州(Overijssel)の自治体が最も高い評価を受けている。これらの地域での生活満足度は高く、例えば借金などの問題への不安が少ない。

一方、北部のドレンテ州やフローニンゲン州北東部の地域ではスコアが低くなっている。これらの地域では、世帯資産がオーファーアイセル州の世帯資産のわずか3分の1に過ぎない。また、平均寿命もオーファーアイセル州より2年以上短くなっている。