オランダの地下水質が農業肥料により悪化

オランダの地表水と地下水が肥料による汚染のため、ヨーロッパの基準を満たしていないことが明らかになった。この問題は、国内の一部地域で飲料水の質を圧迫していると指摘されている。

RIVM(国立公衆衛生環境研究所)が木曜日に発表した報告書によると、水質は2012年以来「構造的な改善が見られない」状態だ。同研究所は、4年ごとに水質の進捗状況を欧州委員会に報告している。

1990年以降、汚染は一時的に減少したものの、近年その進展は停滞。現在、河川や湖などの地表水の44%が過剰な肥料による汚染にさらされている。また、飲料水として利用される地下水の約20%も同様の問題を抱えており、今後さらに悪化する可能性があある。

環境と健康への影響
肥料による汚染は、水中の特定の植物や動物の絶滅を引き起こすほか、有毒な藻類の増殖を助長。これにより、汚染された水で泳ぐと健康被害を受ける恐れもある。

ヨーロッパの基準を満たさない地域
特に南部と東部の砂地や黄土地域が基準を満たしておらず、基準不達成が続けば、欧州委員会がさらなる措置をオランダ政府に要求する可能性がある。

干ばつが問題を悪化
干ばつが発生すると地下水位が低下し、土壌に酸素が多く取り込まれるため、硝酸塩の分解が妨げられる。2018年から2020年の干ばつで硝酸塩濃度が上昇。その後、2021年からわずかな減少が見られるものの、基準に達するには程遠い状況だ。さらに、気候変動により将来の干ばつが増加すると予測されている。この深刻な状況に対し、オランダ政府の対応が急務となっている。