中国やロシアのアプリ利用に警鐘、オランダ経済相が注意喚起
オランダのベルヤールツ経済相は、中国やロシア、イランなどサイバー攻撃のリスクが高い国のアプリをインストールする際には慎重に検討するよう、国民に呼びかけた。特に中国の通販アプリ「Temu」がユーザーの個人情報を大量に収集している点が問題視されている。
データ収集と安全性に懸念
Temuはカメラや連絡先、Wi-Fiネットワークへのアクセスを求めるほか、夜間に端末を解除したり音声を録音したりする権限も要求しているという。また、EU外のオンラインプラットフォームから販売される製品が、欧州の基準を満たしておらず、安全性や健康へのリスクを伴う可能性も指摘された。
利用禁止措置は導入せず
現在、こうしたアプリの利用を禁止する措置は取られておらず、経済相は「現時点では使用しない方が賢明」と注意喚起するにとどめている。一方、欧州当局はTemuに対し、11月初旬にEU基準への対応を求める勧告を行い、改善がない場合には罰則を科す方針を示している。
公務員への使用制限はすでに導入
2023年3月以降、オランダの公務員は中国やロシアのアプリを公用端末にインストールすることを禁じられている。この措置は、AIVD(オランダ情報保安庁)の報告に基づき、スパイ活動のリスクを懸念して実施された。オランダ政府は引き続き規制を検討しており、国民には個人情報保護の重要性を改めて訴えている。