難民問題は解決、新たな難題に直面するオランダ政府

難民問題に関する政府危機は回避されたが、新たな難題が次々と控えている。難民に関する一致は見られるものの、財政、気候、窒素問題に関しては与党4党の意見がさらに分かれており、代替案が決まっていないのが現状だ。

先週、難民受け入れ制限の方針での対立が解決したが、今度は「財政ルール」が課題となっている。VVD党とNSC党はEUの予算規則遵守を重視しているが、PVV党とBBB党はそれほど重視していない。加えて、上院が消費税の引き上げ案に反対しており、政府は支持を集めるのに苦戦している。

また、「窒素問題」も再燃している。リークされた内部文書によると、裁判所が政府に対し、より厳格な窒素排出削減措置を命じる可能性があると警告されている。この危機解決には農業へのさらなる制限が含まれるが、BBB党やPVV党は強く反対している。

「気候問題」も複雑化している。政府は2030年までにCO2排出量を1990年比で55%削減する目標を掲げているが、インフラの整備遅延などにより追加の対策が必要になる見通しだ。VVDは目標達成を主張しているが、BBB党やPVV党は追加措置に消極的だ。

これらの課題には明確な代替案がなく、政府は短期間の延命に成功したものの、今後の行方は依然として不透明である。