オランダのビール販売鈍る、とくにノンアルビール

オランダにおけるビールの売上は今年は芳しくない。2024年の最初の9か月間で、家庭消費向けも外食産業向けもともにビールの販売量が減少した。特に、アルコールフリービールの売上の減少が顕著で、全体のビール販売は前年同期比で3.9%減少し、アルコールフリービールは5.7%減少している。

業界団体の「Nederlandse Brouwers(オランダ醸造者協会)」は、この大幅な減少の原因として、今年初めに消費税が約200%引き上げられたことを挙げている。この「ソフトドリンク税」により、アルコールフリービール1本あたりの価格が6セント高くなり、それがここ数年で初めて売上の減少を招いた要因とされている。

2010年以降、アルコールフリービールの売上は500%増加しており、「現在、飲まれるビールのうち15本に1本がアルコールフリービール」だという。しかし、ハイネケン、ABインベブ、スウィンケルスなどを含むオランダ醸造者協会は、2030年までに10本に1本がアルコールフリーという目標の達成が困難だと予想しており、アルコールフリービールをソフトドリンク税の対象から除外するよう求めている。

醸造者たちの調査によれば、若者は年配のビール愛好者に比べて、アルコールフリービールを選ぶ傾向が強い。「若者はアルコール入りビールから始めるのではなく、最初にアルコールフリービールを飲み始める」とも指摘されている。