オランダでも陽子線治療センター設立

新しいガンの治療法である陽子線治療(プロトンビームセラピー)を専門に行う病院がオランダに設立される。フローニンゲン・メディカル・センターとTUデルフトが本日これを発表した。フローニンゲンとTUデルフトはすでに2013年にこの治療センターの開設の許可を得ていたが、融資や契約などで時間がかかっていた。デルフトとフローニンゲンの「オランダ・パーティクル・セラピー・センター」は来年にも開館する。

この新治療センターでは毎年約600人の患者を治療する。
陽子線治療とは放射線治療の一種で、従来のエックス線に替えて陽子線を使用する治療方式。従来、放射線治療に用いられてきたエックス線は、身体を突き抜けてがん細胞を破壊する効果を持つが、体表近くで最も大きなエネルギーを受けるため、病巣の手前の正常な細胞もダメージを受けてしまい、諸々の副作用を生むという難点があった。これに対して、陽子線治療は体内の任意の深さで最大のエネルギーを放出し、さらにエネルギーがその位置に留まる(突き抜けない)ように制御することができるという特徴を持つ。がん細胞に集中させたピンポイントな治療が実現することで、正常な細胞の破壊を少なくし、副作用を抑えることができる。