極右PVV党ウィルダース氏への批判膨らむ。オランダ社会の分断に拍車

PVV党首のヘルト・ウィルダースは、アムステルダムで行われたイスラエル支援の集会とパレスチナ支持のデモが衝突したことに関連して、市長フェムケ・ハルセマに対し批判を投稿した。彼は「このパレスチナ支持者たちは国外追放すべきだ。ハルセマも一緒に行け」とX(旧Twitter)に書き込み、多くの批判を招いている。

10月7日のイスラエル支援集会は、ハマスによる昨年のテロ攻撃の1周年に合わせて行われたが、同時にパレスチナ支持のデモも行われ、状況が悪化し、機動隊と警察が介入する事態となった。約320名のパレスチナ支持者が逮捕された。

ウィルダースの発言に対し、内閣や他の市長たちも反発を示している。オランダの首相ディック・スホーフは、「デモは憲法に定められる基本的権利であり、7日のデモもその一環だ」と強調し、アムステルダム市長ハルセマを支持しました。ユトレヒト市長のシャロン・ダイクスマも、ウィルダースの発言を「無責任だ」と非難し、内閣に対してウィルダースから距離を取るよう求めている。

一方で、ウィルダースの発言は、過去にも注目を集めたことがあり、今回も大きな議論を巻き起こしている。いくつかの市長は、ウィルダースの発言が地方行政への信頼を損なう可能性があると懸念を示し、民主主義を脅かすものだと批判した。

これに対しPVV党と連立を組む中道右派VVD党首ディラン・イェシルギョズは、今回のパレスチナ支持デモが「ハマスをほぼ正当化している」として、デモのタイミングを「不適切で感情を逆なでするもの」と批判した。アムステルダムのハルセマ市長はこれに反論し、デモの権利を擁護している。

さらに、ハルセマ市長は、イスラエルへの攻撃が増加して以来、反ユダヤ主義が急速に増加していることに懸念を表明する一方で、イスラム教徒に対する憎悪も同様に増加していると警告した。イスラエルとハマスの戦争はオランダ社会の分断にも影響を与えているのだ。