【お天気コラム】なぜオランダの日差しは強く感じるのか?

今週は爽やかな秋晴れの日が続いています。今年の8月も晴天の日が多く、「オランダの日差しは日本よりも強い」と感じた方が多いかもしれません。しかし、実際にはオランダよりも日本の方が緯度は低いため、理論的には日本の方が日差しは強いはずです。それでは、なぜオランダでは日差しがより強烈に感じられるのでしょうか?その答えの一つは「湿度の違い」にあります。

湿度と日差しの関係

オランダでは、晴れて気温が上がると同時に空気が乾燥する傾向があります。これは、大陸からの乾いた空気が暑さを運んでくるためです。例えば、今年の8月にオランダ(De Bilt)で最も暑かった日には「最高気温30.9℃、最小湿度48%」と、カラッとした暑さになりました。一般的に、湿度50%未満が乾燥した空気の目安とされています。

一方、日本の夏は湿度が高く、ムシムシとした暑さが特徴です。太平洋高気圧の影響で、暖かく湿った空気が流れ込むからです。今年の8月、東京で最小湿度が50%未満になった日は、わずか6日しかありませんでした。この湿気の多さは不快な蒸し暑さをもたらしますが、実は太陽光を散乱させて日差しを遮る効果もあります。それに比べ、カラッとした暑さのオランダでは、太陽光がダイレクトに届きやすいため、日差しがより強く感じられるのです。

日差しが恋しくなる季節へ

夏の間は厄介に感じていた強烈な日差しも、これからの季節は一転して貴重な存在へと変わります。今月22日の秋分の日を境に、昼間の時間はどんどん短くなり、夜が長くなっていきます。これから日差しが恋しくなる季節の始まりです。太陽のありがたさを感じながら、季節の移ろいを楽しんでみてはいかがでしょうか。

※湿度は相対湿度の値を記載

プロフィール

竹内青空(たけうち あおぞら)

徳島県出身。2021年よりデン・ハーグ在住。インスタグラム(@aozora_takeuchi)でオランダの天気や生活について発信中。日本ではウェザーニューズに所属して気象原稿作成やラジオの気象情報を担当、千葉テレビでも気象キャスターとして出演していました。