ロシアの核エネルギー会社、オランダの子会社を通じて莫大な利益
ロシアの国営核エネルギー企業であるロスアトム(Rosatom)が、オランダにある子会社を通じて数億ユーロの利益をロシアに移転していることが明らかになった。この動きは、ロシアとウクライナの戦争が続く中でも行われており、オランダの子会社の最新の年次報告書によって確認されている。ロスアトムの利益の一部はロシアの国家予算に組み込まれているほどだ。ロシアは欧州がロシアのウランに依存している状況から引き続き利益を得ている。
ロスアトムは世界最大のウラン供給企業であり、特にウランの生産と核エネルギー供給で重要な役割を果たしている。また、ウクライナのザポリージャ原発を管理するなど、戦争にも直接関与している。ロスアトムのオランダ子会社であるウラニウム・ワン・コーペラティーフは、カザフスタンやタンザニアでウランを採掘し、その収益はオランダを経由してロシアに送られている。2022年には、この子会社が2億4060万ドルの利益を計上し、その一部がロシア本社に送金された。
このような資金の流れにもかかわらず、ロスアトムは欧州からの制裁を免れている。西側諸国はロシアの核産業への依存が高く、特にウランのリサイクルや旧ソ連のVVER型原子炉の燃料供給において、ロシアのサービスが唯一の選択肢となっているため、制裁を課すことが難しい状況だ。特にフランスやベルギーそして旧ソ連傘下の国々での核エネルギー依存率が高く、フランスではなんと電力の64%が原子力発電所で生産されている。
一方で、アメリカではロスアトムへの制裁を求める声高がまっており、2028年からロシア産ウランの輸入禁止が予定されている。
参照:https://nos.nl/artikel/2533713-russisch-staatsbedrijf-sluist-honderden-miljoenen-aan-uraniumwinst-door-nederland
画像:Eurosat