中華などアジア系レストラン、人手不足で存続の危機に直面

アムステルダムを含むオランダ全土の中華料理店やその他のアジア系レストランが、専門的なシェフの深刻な不足に直面している。これにより多くのレストランが一部の営業スペースを閉鎖したり、メニューを大幅に縮小したり、さらには完全閉店を検討せざるを得ない状況に追い込まれている。この問題は、2014年に導入された「Wok合意」(Wokは中華鍋のこと)の廃止によってさらに悪化している。この合意により、アジアからシェフを容易にオランダに呼び寄せることが可能だったが、7月1日から合意が廃止され業界に大きな打撃を与えている。

アムステルダムの老舗ナム・キー(Nam Kee)の共同オーナーであるアマン・チョンによれば、状況は非常に厳しいという。以前は中国からシェフを招くのが比較的容易だったが、今年の7月以降、それはほぼ不可能になった。その結果、多くのレストランが従業員不足に苦しみ、メニューを縮小したり、一部の料理を半製品で対応するなどの措置を取らざるを得ない状況だ。

この問題がどれほど深刻であるかについては、中華・アジア飲食業協会(VCHO)も警告を発している。同協会は、オランダ全土で中国料理店の3分の1が近い将来閉店の危機に瀕していると指摘する。この危機感から、アジア系の業界団体は議会に対し、規制の緩和を求める6,000人分の署名と請願書を提出している。さらに、VCHOはオランダ社会省に対して法的措置を取ることも検討しており、旧制度の復活と、オランダにおけるアジア料理の伝統の存続を目指している。