孤独な新首相、国会で右と左から攻撃を受ける
どの党にも属さないスホーフ首相は、連立政権国会初日から攻撃の嵐を受けた。まず最大政党である極PVV党のウィルダース氏からの攻撃を受けたあと、アヘマ(Agema)副大臣も左派野党から予想外の非難を受け、国会が混乱に陥った。
デンク党と動物愛護党による首相解任を求める不信任動議が出たが過半数に達しなかった。 PVV党大臣のクレファー氏とファーバー氏の2名の辞任を求める左派連合からの不信任動議も採択されなかった。この政府声明をめぐる議論で一つ明らかになったことがある。無党派の首相はまったく孤独だった。誰も彼を守ってくれなかった。
政府の舞台裏で長年の経験を持つ元トップ官僚である首相は、この混乱を予想していなかったに違いない。イスラム教徒とヘッドスカーフに関する極右PVV大臣の発言に関する厳しい質問に答えるために、 周到な用意はしていたはずだ。そしてウィルダース氏が鋭い攻撃を繰り出すことも知っていた。しかし、昨日スホーフ大臣にぶつけられたものは、すべての予想を上回っていた。ウィルダース氏はすホーフ氏の答弁に不満を抱いただけでなく、つまらないと切り捨てたのだ。
さらに連立内のVVD党とNSC党の党首がX(ツイッター)を通じてウィルダース氏を批判したことで、連立政党間の雰囲気は険悪になった。その後、PVV党のリーダーがVVDの同僚を「不当な汚い告発」だと反論し、険悪さは最高潮となった。そして左派野党は首相に対し、PVV閣僚の最近の発言から明確に距離を置くべきだと要求し続けた。
野党はスホーフ首相の権威が損なわれたと見ている。 「これはサーカスで、真剣な内閣ではない」というのが、緑の党・労働党連合のティマーマンズ党首の結論だ。これに対しスホーフ首相は、内閣は「幼稚園児クラスではない」と述べ、 事態の収集がつきそうもなかった。混乱に満ちたこの新政権のスタート、先行きは暗雲に覆われている。