ベルギー、刑務所での過激派養成を防ぐための分離政策
服役中のイスラム教徒が刑務所内で過激派の洗脳を受けるのを防ぐため、ベルギー政府は刑務所内の受刑者配置を再構築する方策を練っている。司法省のフレーンス大臣(Koen Greens) によれば「過激派への勧誘は刑務所内で起きることが多いのでこの分離政策を進める」という。
フレーンス大臣の計画は7日パリで起きたテロ攻撃を受けたもので、今回の雑誌社攻撃の犯人は受刑中に感化を受け過激派となったと言われている。ただし単に分離政策とは言うものの実際の実行は一筋縄ではいかない。過激派を異なった場所に収監してもそれぞれの場所で洗脳そして勧誘活動を行うことができる。逆に過激派だけを1箇所にまとめると影響はさらに大きくなる可能性がある。
オランダでは過激派を2ヶ所の特別刑務所に収監している。1つはロッテルダムのデ・スヒー刑務所、もうひとつは南部フフトにある刑務所。2箇所に分けることで服役中のイスラム教徒が過激派するのを防ぐのが目的である。
ベルギーでもこの分離政策は考えられてきたが実際にはほとんど行われていない。ただ過激派団体に属するボンティンクとベルカセムを別の刑務所に入れたという例はある。この2人は現在ベルギー最大のテロ裁判の被告である。この裁判ではテロ活動だけでなく青少年をシリアの武装闘争へ巻き込んだという罪で46人が公判にかけられている。