現在オランダで討論の的となっている難民法とは

今オランダのニュースで最も取り上げられているのが難民分散法(Verspreidingswet)だ。Verspreidingsは直訳するとSpread, 配分、拡大するという意味。難民収容所をオランダ全土に平等に配置するというのがこれから上院で討論されるこの法律である。
オランダに入国した難民はまずAZCと呼ばれる難民収容所に入所する。ここで審査手続きを通り、滞在許可証を得ると政府の用意した住宅に居住できるという仕組みだ。現在オランダでは、Ter ApelやBudelという大きな難民収容所の他数カ所に収容所が置かれている。今年の夏からTer Apel難民収容所では人が溢れ、外で寝泊まりする人も出るという有様だった。これを解消するために政府は、オランダの各市町村に収容所を配置するという法案を提出した。
この法案では、自治体の規模、歳入などに合わせ収容人数を決め、また収容所を設ける市町村には助成金を出すという。
この法案には反対する党や一般市民も少なくない。難民法(Verspreidingswet)そのもの以前に、この住宅難に難民が優先的に住居を得ることに異論を唱えるオランダ人も多い。実際には難民にも滞在許可を得ても住宅がなく、そのまま難民センターに残る人も多く、これが難民センターが溢れている理由のひとつとなっている。今組閣の真っ最中である政党(極右、中道右派各党)もこの法律に反対している
参照:https://www.rijksoverheid.nl/onderwerpen/asielbeleid/aanpak-crisis-opvang-asielzoekers その他