「近代日本の版画」に貢献したヴェッセル氏逝去
アートコレクターであるだけでなくメセナ活動も行っていたエリーゼ・ヴェッセルさんが火曜日逝去した。エリーゼさんは1980年代から近代日本の版画の収集を開始した。専門家のアドバイスをもとに集めた20世紀の日本の版画はこの時代の版画を網羅するものである。
2009年にアムステルダムのカイザルス運河の邸宅に「日本の版画」という個人美術館をオープン。エリーゼさんは「美しいものを他の人達と分かち合いたい」とインタビューでその動機を語っている。
2022年10月の80歳の誕生日に、エリーゼさんは1100枚の版画をアムステルダム国立美術館に寄贈した。同美術館長のディビッツ氏は、20世紀の日本の版画の分野ではヨーロッパでも最も重要なコレクションになると語っている。「これまでほとんどの人が見向きもしなかった20世紀の日本の版画を発見し、集めたエリーゼさんに深い敬意を払いたい。」
エリーゼさんが立ち上げた基金「エリーゼのためにFür Elise」は、様々な文化施設にも貢献している。例えばオランダ・オペラ・バレー(Natopnale Opera & Ballry)やコンセルトヘボウ(Het Concertgebouw)などに寄付している。またゴッホ美術館、ホランドフェスティバル、チェロ・ビエナーレ、オランダ・ブレーザーアンサンブルにも支援を行った。コンセルトヘボウの日本人演奏者たちがより良い楽器を入手するのも手伝っている。「文化貢献は国家だけがやることではありません。個人も可能な限り貢献すべきです。」とエリーゼさんは述べている。