タバコ製造4大企業 オランダ経由で税回避

世界最大のタバコ製造企業4社はオランダのペーパーカンパニーを通して租税回避を行っていることが、NRC紙のInvestigative Deskの調査で判明した。4社合計で毎年75億ユーロがオランダに送金され課税を逃れている。

「フィリップ・モリス」、「ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)」、「ジャパンタバコ」そして「インペリアル・ブランド」は、オランダの税優遇措置を利用して、他国での売上がオランダ経由でより少なく課税されるという手法を使っている。4社はそれぞれ別の複雑かつ巧妙な方法をとっているが、例えば外国での利益を減らすために非常に高い金利で子会社に貸付を提供するといった手法などが含まれる。税負担を軽減するために、配当も優遇措置のあるオランダを経由する。 NRC紙の調査部は上記4社すべてがこの「配当ルート」を使用していると結論づけている。

オランダ税務当局は世界最大のタバコ会社BATに対し、オランダを通じて莫大な税回避を行っているとし、12億ユーロの追徴と罰金を要求し、現在訴訟中である。

多国籍企業が税優遇措置を利用しオランダにペーパーカンパニーを設立することは有名だ。2年前の統計では約12000社のペーパーカンパニーが登録されており、国際社会からはしばしばタックスヘイブン(租税回避地)とみなされて非難されている。
4社は、配当金、利子そしてロイヤリティの支払いをオランダ経由で行うことで、合計75億ユーロ(約9000億円)を税回避しているとNRC紙。これは、税の回避に関する国際的な規則が欠如しているために可能なのだという。
これに対しタバコ会社は、事業を行っているすべての国の税法を遵守していると述べている。

NRC紙の記事