人手不足でアムステルダムの病院の一部閉鎖に
アムステルダム東部の総合病院OLVGは、年内に循環器科と癌科の看護病棟を閉鎖する。専門の看護師が不足しているのが理由だ。12月にはもう手が回らない状態にあると同病院。12月1日から循環器とガン患者の看護病棟では新規患者は受け付けない方針である。12月11日には同科の患者と従業員は同じOLVGのアムステルダム西部に移転する。看護担当人員の不足で、アムステルダムの東と西に同じ病棟があることで、運営がきびしくなっている。このため、すべてアムステルダム西のOLVGに移転させるという。移動するのは看護病棟のみで、同じ科の日帰り入院や治療はこれまでどおり東OLVGにとどまる。
同病院によれば、ここ数ヶ月のうちにこれらの病気に特化した専門看護師が5人も退職しており、12月には入院患者を受け付けられなくなったと同病院。
看護師不足はオランダでも深刻な問題となっている。医療介護分野での求人は1年で12%上昇し、今年の第3四半期には30491名。特に、専門分野での人手不足は深刻で8人の募集に1人の応募といった状態である。
こういった状態で、病院では一部閉鎖に追い込まれる場合もある。昨年にはフローニンゲン大学病院の29ある手術室のうち4室は閉鎖となった。アーネムの病院でも救急部門が閉鎖に追い込まれ、ハーグのブロノボ病院は人手不足より病院自体が閉鎖となっている。
アムステルダムの病院での人手不足にさらなる足かせとなっているのは、住宅不足だ。家賃や不動産価格の高騰で、病院の従業員がアムステルダムに住めなくなっている。
専門の看護師を確保するためにボーナスを支給する病院もある。フローニンゲン大学病院では、手術室専門の看護師には3年継続勤務で5000ユーロの特別ボーナスを払っている。アムステルダムのアントニ・ファン・レウウェンフック病院では給与を10%値上げしている。