オランダの裁判所で「第3の性」を認める判決

オランダのリンブルフ州の地方裁判所は28日、出生証明書に届けられた性別を男性でも女性でもない性として変更することを認めるという判決を下した。両親は、1961年にこの人が生まれた時点で男子として届け出をしていたが、原告は物心がついてからこの人は男性でも女性でもないと感じるようになった。このため出生証明書の性別を第3の性として変更するよう求めていた。
リンブルフ裁判所は、「第3の性をして届け出ができないことは、原告のプライバシーと個人の権利の侵害となる。」と判断しこれを認めるという判決を下したもの。ただし最高裁では2007年に同様な裁判で時期尚早としてこれを退けている。
オランダのゲイ・レズビアン・トランスジェンダーなどの権利を主張する団体COCでは今回の判決を「政治的な決定への第一歩」だとして歓迎している。同団体は「性別を登録したりこれをパスポートに記載する義務に疑問を呈す。」という立場をとっている。さらに国際間性基金(NNID)は性別を否定するマルタ同意を引用し、今回の判決は正しい方向に向かっていると評価した。「最終的なゴールは、政府による性別登録制度の廃止。今回の判決は大きな一歩」だとコメントしている。肉体的にも心理的にも男性でも女性でもないと感じているこの人は、今回の判決を心から喜んでおり、自分以外の多くの人を救うと述べている。