億万長者の20%は農家、オランダの億万長者事情

オランダで仕事を持つ億万長者のうち5人に1人は農業従事者だという興味深い調査結果が、中央統計局(CBS)から発表された。この調査は所得ではなく資産を対象に行われたもので、農家はその土地と飼育所の評価額が高いことから億万長者に分類される人が多い。億万長者の定義は、100万ユーロ(約1億3000万円)以上の資産を持つ人。億万長者の農家の中でも酪農家(50%)そして穀物や野菜を生産する農家(25%)が大半を占めている。

CBSの調査によれば、2015年にはオランダで106,000人の億万長者が存在する。この資産には自宅の評価額は含まれておらず、金融資産、自宅以外の不動産、事業用資産などから負債を引いたものが総資産と見なされる。上記は「働いている」億万長者だが、働いていない退職後の億万長者はなんと全体の3分の1もいる。

働く億万長者の80%は自家営業で、農業従事者はほとんどが自家営業者である。ただ農家の所得を見るとそれほど高いわけではなく、天候や需給によって左右されるため不安定だ。農業従事者に続き億万長者が多いのは金融業に従事している人。に医師や歯科医もこの比率が高い。

億万長者(100万ユーロ以上の資産)の平均資産は290万ユーロ。これに対し億万長者以外の人の平均資産は5万3000ユーロ(自宅を除く)と、55分の1だ。さてもうひとつ驚くべき数字がある。億万長者でも1%がなんらかの社会保障で暮らしていることだ。資産があるため生活保護は受けられないが、失業保険あるいは病気や怪我などで就労不可の場合に出る保険を受け取っている。