ハーグ市、数千人の恵まれない子どもたちにスマホを無料で配布

ハーグ市は経済的に恵まれない数千人の生徒に無料のスマートフォンを授与すると発表した。最近では学校からの通知もアプリのグループで回覧されたりと、スマホなしでのコミュニケーションは難しくなっている。そこでスマホを持たない子供が情報から取り残され孤立するのを防ぐため、ハーグ市は、ハーグ学費基金、社会省、そしてプロバイダーのTモバイル、携帯のサムスンと共同でこのスマホ配布を行うことを決定した。「経済的にスマホを利用することができない子どもたちも他の子どもと同じ情報を共有できる。」のが目的だ。スマホは今や子供どうしのコミュニケーション手段には欠かせないという。

オランダでは小中学校の学費は無料だが、スポーツや音楽などの課外活動は有料である。20年前に設立された学費基金(Stichting Leergeld)は、経済的に恵まれない子どもたちがこれらの課外活動をできるよう支援する団体だ。最近では中古のコンピュータを配布している。学費基金は全国的に活動しているが、スマホの配布を決めたのはハーグ支部が最初。スマホの配布には賛否両論はあるものの、「恵まれない子どもたちが列車に乗り遅れない。」ために必要だというのが今回の決定の背景にある。他の子供達とできるだけ同じ環境で遊び、そして学ぶことができるようにするというのが、同基金の設立目的である。学校によっては時間割の変更や授業の追加情報などをワッツアップなどのスマホアプリで生徒に知らせている。クラスに2,3人スマホを持たない生徒がいれば、彼らだけが置き去りになる。

今回スマホを授与される子どもたちは、自転車に乗りながら使用しないなどの注意を受ける。高額な海外へのSMS発信はブロックされている。