クラフト、ユニリーバの買収提案撤回

ブルームバーグのニュースによれば、米食品メーカーのクラフト・ハインツは英蘭系のユニリーバへの1430億ドル(約16兆円)での買収提案を撤回した。同ニュースによれば、クラフトの広報担当者は「われわれは友好的に前進することを意図していたが、ユニリーバが取引を追求したくないことが明確になった。両社が価値を生み出すためのそれぞれの独立した計画に集中できるよう、早期に撤退することが最も良いことだ」と述べた。ユニリーバは先週、クラフトからの1株50ドルでの買収案について、提案が同社を「根本的に過小評価している」として拒否していた。

ユニリーバは、1890年代、イギリスのウィリアム・ヘスケス・リーバ卿が始めた石けん会社「リーバ・ブラザーズ 」と、オランダのマーガリン会社「マーガリン・ユニ )」が、1900年代初頭のパーム油不足を背景に、1930年経営統合(商号を「ユニリーバ」に統一して発足した。近年では、選択と集中(ブランド数を絞り込んで資金の集中投下を図る戦略)を推し進めるなどブランドマネジメントに積極的に取り組んでおり、収益を堅調に伸ばしている。現在のCEOはオランダ人のポール・ポールマン氏で、プロクター・ギャンブル、ネスレを経て2009年からユニリーバの経営に携わっている。特にサステイナブルな製品開発にこだわりを見せている。