2016年、オランダと世界のニュースを振り返る

2016年は歴史上、黒く塗られたページとして残る年だった。振り返ってみると、1年間でこれだけのことが起きたのかと驚くほどニュースに溢れている。イギリスの欧州離脱(Brexit)、ウクライナのEU加盟に関するオランダの国民投票、米国の大統領選挙、ブリュッセル、ニース、イスタンブール、アンカラ、ミュンヘン、ベルリンでのテロ。世界各地で、人々は暴力と戦争に翻弄され、政治そして国民の分断化が進んだ。オランダも決して例外ではない。
欧州における両極化は、英国のEU離脱を支持した国民投票が象徴的であり、今後の欧州の行方を左右するものと言える。イギリスのEU離脱に続いて、リベラルな人々に衝撃を与えたのは米国での大統領選挙の結果だ。11月8日にポピュリスト(大衆迎合主義者)ドナルド・トランプ氏が当選している。英国、そして米国でのポピュリストあるいは煽動政治家の勝利は、オランダそして欧州各国の極右勢力にも力を与えている。最近の世論調査では移民排斥を唱えるウィルダース氏の自由党の支持率はオランダで最も高いという結果が出ている。

2016年は動乱と暴力の年でもあった。7月にはトルコでクーデターが起き反政府勢力が抑えられ弾圧された。そして最も衝撃的だったのはブリュッセル、ニースそしてベルリンなどでのイスラム過激派によるテロ事件。欧州全土で警戒はますます厳しくなり、まだ事件の起きていないオランダでも常時警戒体制をとっている。
最近のアレッポでの空爆でシリア戦争の泥沼化は収束のめどがたたず、難民の数は増え続けている。しかし、これまで手放しで難民を歓迎していたドイツやオランダでも、繰り返されるテロの影響で難民を排除する傾向が高まっている。

オランダ経済は好調で成長し続けているが、この裏で2016年は倒産の年でもあった。最も大きな倒産はデパートチェーンのV&Dで、これに続きマグレガーやM&Sモードなどのチェーンが店舗を閉めている。

2016年リオ・デ・ジャネイロ・オリンピックではオランダは活躍し、合計19のメダルを獲得した。今年はデビット・ボーイ、プリンス、ジョージ・マイケルなどのミュージシャンが多く亡くなった。スポーツ界では、伝説のサッカー選手、ヨハン・クライフが逝去している。