デルフト大学の学生、インクのいらないプリンター開発

インクジェット・プリンターは、カートリッジを頻繁に変えるため、お金がかかるだけでなく環境にも悪い。これを解決すべくデルフト大学の学生が、熱により紙を炭化させる技術を利用したカートリッジのいらないプリンターを開発した。「子供のころ虫めがねに太陽光を集め紙を燃やしたことがあるでしょう。簡単に言えばその技術を使い紙を黒く焦がすもの。」だと開発者は説明している。この技術を研究した2人のデルフト大学の学生は今「インクレス」という会社を立ち上げ、商品化を狙っている。

インクジェット・プリンターは機材自体は安いのだが、インクがすぐなくなるという欠点がある。カートリッジは高価な上、環境汚染の原因となっている。今のところリサイクル率は30%にとどまり、残りは廃棄されている。廃棄されたカートリッジは450年間消滅しない。通常のインクジェット・プリンターの販売戦略は、機体を安く売り、カートリッジで儲けるのが基本。新しいインクレス・プリンターはこの販売構造を根本的に変えることになる。

この新技術を使ったプリンターでは色印刷はまだ可能ではない。カラーインク・カートリッジを入れることでこれを解決している。しかし、印刷の80%が白黒であるため、開発はそれほど急ぎではないという。

TU Delft