オランダ、不況が過ぎ再び寄付金が増える。不動産価格との関連性も

オランダ人は寄付好きだが、不況時はやはり財布のひもは固かった。昨年から景気が回復し始め、寄付金額は2014年と比較し3.6%増えている。オランダの一般紙フォルクスクラントの調査によれば、ガン撲滅基金(KWF)への寄付額が最大で、2015年には1億1690万ユーロを記録し、一昨年の5%増となっている。このうちの44%が遺言による遺産からの寄付である。
次に寄付額が多いのは、赤十字と国境なき医師団で、それぞれ5100万ユーロ。赤十字への寄付は一昨年よりも25%も増えているが、これは難民危機が大きく影響しているという。この後に続くのが、ユニセフと心臓病患者基金である。
さてこの寄付金額の増加の背景には、景気の回復だけでなく不動産価格の上昇があるという分析もある。自由大学のベッカーズ教授の研究によれば、寄付金と不動産価格には相関性があるらしい。
これに対し、寄付金額が大きく減少したのは環境保護団体グリーンピース。理事の一人が、ルクセンブルグの自宅からアムステルダムまで2年間もの間(空気を汚染する)飛行機で通勤していたという事実が判明し、寄付者が遠のいていったのが大きな理由だと見られる。