ガラスのレンガを使った建物がアムステルダムに登場

アムステルダムの高級ショッピング通りP.C.ホーフトストラートに、正面がほぼガラスでできた建物が19日オープンした。この建物は世界的に有名な建築事務所MVRDVが手がけたもので、レンガまでがガラスでできている。

現在ブランドショップが軒を連ねているP.C.ホーフトストラートは、一昔前までは典型的なオランダの住宅地だった。MVRDVはこの通りの雰囲気を残すようなデザインを考えたという。この通りに並ぶ店舗のほとんどは、1階正面の中心部分を壊し大きな1枚ガラスに替えているが、窓枠部分や上階は昔のままの状態を残している。ところがMVRDVは、この枠部分までガラスに変えるという大胆な構想を練った。まずはレンガに替わる丈夫なガラスの開発から始まった。ガラスで有名なイタリアのベニスでガラスの石を作りテストした。そしてドアの上の部分のガラス部分だけで100キロあるという堅固な石を作り上げた。次はガラスとガラスを繋げる接着剤の開発である。この接着剤とこれを乾かすUV接射の開発をなんと矯正歯科医に発注したという。ひとつの石を接着するだけで1時間要した、とMVRDV。

この建物の建築許可には難航したらしい。オランダでは建物の外観にきびしい規制を強いているため、正面の建築条件に「レンガを使用」が必須。そこで考えついたのが「ガラスのレンガ」。そして長い折衝の後、上部20%はオリジナルのレンガを使用するということで、今回の設計デザインが通ったのである。MVRDVはオランダ南部のスハインデルにガラスの農家を建てるなど、ガラス建築には定評がある。最近ではロッテルダムの巨大フードコート「マルクトハル」も彼らの作品である。日本でも表参道のジャイル(GYRE)などを手がけている。ちなみにアムステルダムのこの店舗は現在シャネルが使用している。

MVRDV