ブラッセルのテロ事件で犯行声明を出したイスラム国(IS)の動き

22日火曜日34名の死亡者そして200名以上の負傷者を出したブラッセルでのテロ事件で、イスラム国(IS)が犯行声明を発表した。欧州の情報機関はすでに数週間前から、ISが欧州での次のテロ攻撃の準備を行っていると警告を発していた。とくに昨年11月のパリでの同時多発テロの容疑者のひとりサラ・アブデスラムが先週ブラッセルで逮捕されて以来、関係者は新たなテロの不安をつのらせていた。家宅捜査で大量の武器が見つかったり、容疑者を中心とした新しいテロネットワークができているとの情報で、逮捕で事件が終わったわけではないと考えられていたからだ。この新テロネットワークが今回のブラッセルでのテロ攻撃の首謀者か否かは不明であるが、欧州の情報機関はISが欧州内で活発なテロ予備軍を置いていると想定していた。

昨年3月にフランスのインターネットマガジン「ダー・アル・イスラム」にISが発表したニュースによれば、ISには欧州でのテロ攻撃のために特別な部門がある。この部門では欧州内でのリクルートやテロの手法を訓練している。たとえば、爆弾を携帯する方法だけでなく、いかに多くの市民を巻き添えにするかといった内容である。訓練が終わると、テロ分子は欧州各国に散らばり独自に行動をする。情報機関によれば、その後もISはテロ分子に対し戦略的そして財政的な援助を行っているらしい。

今回のパリとブラッセルでのテロ攻撃はISの比較的新しい戦略であるといわれている。これまではISに対する同情を得るため、欧州の市民を対象に攻撃を行うのは限られたものであった。しかしながら、現在ISは欧州連合軍の空爆を受け、イラクでは40%、そしてシリアでは20%近くの領土を失っている。このため領土以外の地域であるレバノン、チュニジア、リビアそしてエジプトでの活動が盛んになっている。ISの攻撃の手は欧州にまで伸びている。欧州での攻撃は別の目的もある。欧州内のイスラム教徒を目覚めさすことで、社会から阻害された若者を過激にする。これらの若者をISはリクルートする。パリのテロ事件後、ベルギーの警察が「外観がアラブ人」という理由だけで若者を暴力的に扱ったと報告されているが、こういった不満がますますISによるリクルートの手を伸ばさせ、イスラム系の若者を過激化することを助長する。
(3月22日付NRC Handelsbladの記事引用)

ベルギーニュース