オランダ、健康維持や環境保護だけでない自転車で職場に通うメリット

自転車専用道路が整備されている自転車天国のオランダでは、長距離でも車や公共交通機関を使わずに職場に通う人が多い。その背景には健康維持や環境保護のためという理由のほかに、経済的なメリットがある。

2015年から従業員は交通費として1kmあたり19ユーロセントを雇用者に請求できるようになった。さらに自転車購入費用を雇用者から無利子で借りることも可能である。このルールは雇用者側にもメリットがあり、交通費支給などの福利厚生費は給与の1.2%までが税控除の対象となる。

自転車通勤の最大のメリットは費用。維持費もほとんどかからず税金も支払う必要がない。自動車協会ANWBの試算では、一番安い車、たとえばフィアット・パンダを利用しても月々平均360ユーロ、中クラスのオペル・インシニアでも880ユーロがかかる。

もうひとつのメリットは、自転車通勤者の病欠が少ないこと。これは従業員だけでなく、雇用者にとっても朗報である。健康福祉スポーツ省の調査によれば、自転車通勤者の平均病欠数は年間7.4日。自転車を利用しないで通勤する人の平均は8.7日で、1日半以上多い。