ブラッセルの新年を祝う花火はテロ懸念で中止に

欧州では、大晦日から元旦のイベントを狙ったテロを想定し、パリで花火大会の中止や凱旋門でのライトショーの短縮など厳重な警備体制が敷かれている。オランダでは、テロ対策委員会NCTVが、子供を載せる貨物自転車や大きなリュックサックなどに爆発物が隠されている可能性があるとして、アムステルダム市内での警備を強化している。しかし、大晦日12時きっかりに開始する新年の花火大会は例年どおり実施する予定である。

ベルギーの首都ブラッセルでも当初は花火大会を例年通り行う計画であったが、30日夜ブラッセルのマユール市長は花火大会やその他のイベントはテロ防止のため急遽中止すると発表した。毎年ブラッセル市内にはこの花火を見るために10万人の人が集まってくる。

新年花火大会中止の引き金となったのは昨日のテロ容疑者逮捕事件だと見られる。ベルギーの連邦検察は29日、ブラッセルでカウントダウンのイベントなどを狙ったテロを計画していた疑いで2人を逮捕したと発表した。逮捕されたのは「カミカゼ・ライダーズ」と名乗るイスラム系暴走族のメンバー。捜索ではコンピューター関連機器や軍隊式の訓練服、ISISの宣伝文書が押収された。

欧州では大晦日の夜12時きっかりに新しい年を打ち上げ花火で祝う国が多い。大都市では花火大会だけでなくコンサートなど大きなイベントが同時に開かれ多くの人が集まる。