アムステルダムの病院、麻薬ヘロイン生産で利益を上げる

アムステルダムのスローテルファールト病院はこの数年間、麻薬の一種であるヘロインの生産と流通で数百万ユーロ(数億円)の利益をあげていた。これはオランダの新聞「パロール」と「NRCハンデルスブラット」の記者の共著本で明らかにされたもの。ヘロインは同病院の子会社が健康・福祉・スポーツ省の依頼で生産しているもので、麻薬中毒者の治療目的で利用されている。

ヘロインを生産するこの子会社は同省から毎年300万ユーロ(約4億円)を支給され生産・流通を行っているが、このうち100万ユーロは利益となっている。利益は親会社であるスローテルファールト病院に還元されており、2013年まで病院の利益の4分の1はこのヘロインによるものであった。ところが、この子会社の存在は病院の年次報告書には掲載されていないばかりか、病院の薬剤師で子会社の取締役であるバイネン氏の持つ別会社に配当金として支払われていた。病院による利益配当は違法である。

同省はスローテルファールト病院があげていた利益については認識していたとし、2012年にこの利益は研究開発費として利用することに同意していたとコメントしている。同病院は2013年にMCグループとアントーニ・ファン・レーヴェン病院(AvL)に買収されている。現在ヘロイン生産子会社の株式は、AvLが51%、スローテルファールト病院が49%保有している。