オランダ人、3分の1が豊かで健康で人生に満足

オランダに住む人のクオリティ・オブ・ライフ　（生活・人生の質）は、一般的に高いが、格差が広がっている。物質的に満ちたり、健康で、人生に満足しているという人が全体の3分の1を占める一方、この３点ですべて不足している人が4分の1もいる。

中央統計局（CBS）は、オランダに住む人の豊かさと幸福度（ウェルビーイング）について調査を行った。調査は、豊かさと幸福度を測る要素である収入、家計の安定、仕事、住宅、健康、愛情、社会との接触などについて分析している。この調査で、クオリティ・オブ・ライフが最も高いという結果が出たのは、高学歴で共働きで子供がいない20代のカップルである。逆に一人住まいで低学歴の人は上記の要素で低い結果が出ている。失業率を見てもこのグループは12％と最も高い。

オランダの20代は大学進学率が急速に伸び、学歴ではこれまでにないレベルに達している。このグループは所得も高く健康である。カップルで住んでいる人は恋愛もまだ色あせていない。住宅ローンを組み、家を購入する。スポーツをし、友人も多い。というのがこのグループの特徴である。
これに対しシングル・ペアレント（90％は母親のみ）は、最もスコアが低い。パートナーを失ったことで所得が大きく下がり、これまでの家を出て低所得者向け賃貸住宅に住まざるえなくなり、社会との接触も減る。

一般に収入が低く健康状態も満足でないとされるグループの中でも、男性と女性では幸福度が違う。女性は平均的に男性より幸福度が高い。一般的に男性は仕事と地位がその幸福度に大きな影響を与えている。そのため、同じ低所得グループの中でも、社会的な地位が低いことによる不幸感は男性より女性は少ない。女性に大きく影響を与えているのは地位よりも社会的なつながりである。所得が少なくても、家族や友人が周りにいる人は不幸と感じる度合いは低いという。

CBS「オランダ、3人に1人は豊かで健康で幸福