レンブラント絵画、1億6000万ユーロでオランダ買い戻す

レンブラントの作品2点がフランスからオランダへ戻ってくる。フランスの富豪ロス・チャイルドが所有していたレンブラントの名作2点が売りに出されていたが、当初アムステルダム国立美術館ではこれを購入する予算がなかった。しかし、オランダが誇る画家の作品がアラブ諸国や中国などの他国に流出してしまうのを阻止すべく、国を上げて作品購入計画を秘密裏に進めていた。

1634年、アムステルダムの名家「マーティン・ソールマンス」と「オーピエン・コピット」が結婚する際に描かれたこの2作品は、「夜警」の兄と姉とも呼ばれている。フランスもこの絵画が国外へ持ちだされることに反発していたが、政府と国立美術館は粘り強くに交渉を続けてきた。

この2作品は両方とも高さ2.1メートル、幅1.35メートルと、レンブラントが描いた肖像画では最も大きいものである。購入価格の1億6000万ユーロ(約200億円)のうち半分である8000万ユーロは美術館が、そして残りの8000万ユーロは政府が負担するという。
過去に国立美術館が購入した作品で最も高額だったのは、昨年末に購入したアドリアン・デ・フリースの女性版バッカスの絵で2250万ユーロ。オランダの美術館が購入した作品では1997年にハーグの市立美術館が購入したピート・モンドリアンのビクトリー・ブギー・ウギーが史上最高額で3700万ユーロであった。