大量の難民入国を受け、オランダでも国境検問強化

ドイツ、ハンガリー、オーストリアでは13日から大量に押し寄せる難民の国境での検問を強化し、事実上国境封鎖の様相を呈している。シェンゲン協定にもとづくEU(欧州連合)の規定では、国境封鎖は公共の秩序を脅かす事態でのみ一時的に許可されている。
オランダはこれまで国境での検問なしに難民受け入れを進めてきていたが、突然の難民申請急増を受け、14日、難民担当ダイクホフ次官はEU内相会議にてドイツとベルギーでの国境管理を強化すると発表した。国境での検問は、一気に難民が入国することによる国内での混乱を防ぐのと、密入国斡旋業者の摘発を目的であり、難民入国を拒否するものではない。国境警備隊が不法入国者を見つけると、テル・アーペルにある難民申請センターに送り、ここで難民申請をしてもらうという体制整備を強化するものである。
ドイツでは、国境を越える人すべてに対し体系的に検問を行っているが、オランダではランダムに道路や鉄道で行う。先週には一週間に3000人以上の難民がオランダに入国している。このうちの一部は難民申請センターのあるテル・アーペル行きの列車を逃し駅で寝泊することを余儀なくされていたが、警察が収容しセンターまで送り届けている。
一方14日、EUでは難民に関する欧州の内相会議が開かれ、各国で難民を分担して受け入れる案の実現に向けて最大限、努力していくことで一致した。しかしながら焦点となった受け入れの義務化では合意に達しなかった。