オランダのチーズ倉庫が満杯に

オランダではチーズ製造過多で貯蔵する倉庫が満杯になっている。4月1日からEUの生乳クオータ制度廃止で、牛乳の生産が需要を上回っている。牛乳は保存期間が短いため、過剰生産された分は粉ミルク、バターそしてチーズへと加工される。ところが、チーズ供給も需要を上回ったため、チーズ貯蔵倉庫は満杯状態。
オランダ国内だけの販売では捌ききれない量である。オランダ人のチーズ消費量は数年間ほぼ変わらず、ひとりあたり1年で17キロで、これ以上増える模様はない。そこで余ったチーズは海外に向けて輸出されることになるが、これも供給過多で価格は頭打ちとなっている。
チーズ輸出に向かい風となっているのは、ロシアへの制裁のための輸出禁止。マレーシア航空機のウクライナでの撃墜に関し、オランダはロシア向けの輸出を禁止している。さらにこれまで大きな輸出先であった中国への輸出も減少している。中国では独自に牛乳やチーズの生産を進めているため、輸入への依存が減った。
牛乳生産割り当て制度が4月1日に廃止されて以来、チーズ価格は下がっている。エダムチーズの農家卸値はそれまでの1キロ3ユーロから2.2ユーロへと下落している。