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夏、ドイツとベルギー行きの列車に予約が必須
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6月の半ばから8月まで、オランダからベルギーとドイツに行く列車には予約が必要となる。オランダ鉄道(NS)は予約制により混雑を防げると考えている。国際列車(タリスやユーロスター以外のインターシティ列車)は現在非常に人気があり混んでいるときは座れない人も出ている。

夏休みにはさらなる混雑が予想されており、アントワープやブリュッセルに向かう列車は予約が必要となる。ICE列車でドイツやスイスに向かう人は6月17日から8月18日までの間は座席の予約が必要という知らせはすでに出ていた。予約がない場合には列車に乗れない。NSは、「すべての列車利用者がゆっくりと座って旅行しなければならない。」というモットーで立っている人が出ないようこの予約システムを計画した。

この計画に対し、自動車連盟(ANWB)、自転車連盟、高齢者連盟、旅行者連盟(Rover)は怒りを表明している。このシステムを導入することで列車での旅行の意欲が削がれという。NSが現在販売しているブリュッセル行きの早期予約割引もなくなり値段も上がる。この予約システムは最悪の選択だというのが各団体の共通の意見である。運行列車の本数を増やすなどの他の解決法を探すべきだという。


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今日からアムステルダム・ベルリン寝台列車スタート
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2014年以来運行が停止されていたアムステルダム・ベルリン間を行く寝台列車が本日25日から再開することになった。オランダのスタートアップ企業であるユーロピアン・スリーパー社は、長い間探していた寝台車両が見つかり再開へとこぎつけた。
同社は昨年ブリュッセルとプラハを結ぶ新しい寝台列車を運行予定だった、列車の賃貸に時間がかかるため棚上げしている。ヨーロッパ全体で寝台車両は不足している。それでもやっとのことで12車両が見つかり今回のブリュッセル・ベルリン寝台列車運行が決まった。当初の計画であるプラハまでは行かずベルリンを終着駅にすることになった。来年にはプラハまで延ばすという。

ヨーロピアン・スリーパー列車は、月曜日、水曜日、金曜日にベルリンに運行。日曜日、火曜日、木曜日にベルリンからオランダとベルギー方面に向かう。寝台車両は、6人部屋、4人部屋、3人部屋がある。予算が少ない人のために、通常座席も用意されている。時刻表によるとアムステルダムを夜22:34に出発、ベルリンに朝6:48に到着する。

ユーロピアン・スリーパーは、将来的にはバルセロナまで延ばしたい意向だ。ただし、寝台車両の購入と新規建造のための投資家を必要としている。「まずはレンタル物件で始め、寝台列車の魅力を投資家に伝えることから始めたい」と同社。

以前は寝台列車は運行していたが、格安航空の速さと安さには勝てず、オランダでは2009年から2016年まで姿を消していた。これが2016年から再開する。
現在オランダから運行している寝台列車は、チューリッヒ、インスブルック、ウィーン向けで、環境問題にこだわり楽な旅をしたいという人たちに人気がある。オーストリアの鉄道会社OBBは昨年新しい寝台車両を建造し、ナイトジェット(Nightjet)という名称で運行している。
今後さらにヨーロッパ全土で寝台列車の運行が増える見込みだ。

老人ホーム、列車のコンパートメントを設置
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オランダの20ヶ所以上の老人ホームがオランダ鉄道(NS)から列車のコンパートメントを譲り受けた。認知症になった人が列車旅行を思い出したり、中に座って旅行気分を味わうのが目的だ。

オランダ・アルツハイマー協会とNSが、列車の座席やテーブル、そして吊り棚やゴミ箱などを老人ホームに寄贈した。老人ホームは自分たちで、「列車のコンパートメント」を作成する。「ほとんどの人が旅行が好きなのに、認知症のために旅行ができなくなったらどうしたらいい?」と協会が知恵をしぼったもの。1年ほど前に、アルツハイマー協会とNSがオランダ全土の老人ホームに、移動式のコンパートメントを紹介した。その後22の老人ホームが恒久的にコンパートメントを設置することになった。椅子やテーブルなどは、ダブルデッカーと呼ばれる列車から取ってきたもの。

認知症のために旅行ができなくなった人も、コンパートメントに座って旅行気分を味わうことができる。NSによれば、認知症の人が列車に乗って迷子になったり、チェックインしたかどうかを忘れるなどの困難に直面することがあるが、ホーム内の列車にいれば問題ない。

オランダでは約29万人が認知症を患っており、20年以内にこの数は52万人に増えると想定される。

アムス/パリ間の特急列車タリス減便
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アムステルダムとパリを結ぶ特急列車タリス(Thalys)はしばらくの間運行本数を減らす、と同社が発表した。どの程度の縮小なのか、どのくらいの期間これが続くのかは明らかにしていない。いずれにせよ今週の日曜日には多くの列車が運行を中止する。

先週パリからアムステルダムに向かうタリスが猛暑のため2度途中停車した。火曜日には4時間以上立ち往生していた列車の窓を割って水を取りに行く乗客も出ている。日曜日にも列車の故障で立ち往生するなど問題が次々に起きた。このためタリス用の鉄道を使わずに通常の列車用の鉄道を走るなどの緊急措置が取られたが、ブリュッセルで止まってしまう列車も何本が出た。同社は故障の原因などを調査中である。タリスによれば火曜日と日曜日の故障は関連性はないという。

このような事態に遭遇した乗客には250%の払い戻しをするとタリス社は発表。また日曜日夜ブリュッセルで宿泊を余儀なくされた人にも宿泊施設を提供すると約束した。しかし実際にはホテルは提供されていない。

このところの空港の問題で列車旅行を選ぶ人が増えており、タリスも満席状態が続いている。さらにタリスが減便するとなると、アムステルダムからブリュッセルに向かう急行列車インターシティも満席となる。このためロッテルダムからインターシティに乗る乗客は席を確保できないため、同駅では他の列車を利用するよう呼びかけている。

空港混雑で航空機を避け、国際列車利用客急増
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来週からオランダの夏休みが始まり、国内外の旅行へ出かける人が増えている。この夏は例年と異なり列車を利用する人が目立つ。国内を走る列車の利用客はコロナ前ほど増えていないが、国際列車は満席というケースが多い。

オランダ鉄道インターナショナルによれば、6月の予約は372,000枚チケットとコロナ前の2019年の同月と比較して30,000枚多い。パリ行きのタリス、ベルリン行きのインターシティ、そしてロンドン行きのユーロスターの予約が増えている。とくにロンドン行きに関しては需要が急増しているため、9月から朝の便をもう1本増やすと決定した。

列車旅行の行き先として人気なのは、アントワープ、ブリュッセル、パリである。このほか今年からウィーン、ミラノ、コペンハーゲンへの列車旅行が注目を浴びている。また、欧州全土を旅行できる「インターレイルパス」の利用も増加している。とくに、インターレイルパス50周年記念で割引チケットが売り出されたので、ここ数週間このチケットを買い求める人で長い列ができていたという。

列車旅行でもうひとつ人気なのが「グリーン・シティ・トリップ」と呼ばれる寝台車で行く旅行だ。オランダからベニス、ウィーン、コペンハーゲンに向かう寝台車である。今年の夏はすでにほぼ満席だという。

飛行機での旅行は安いし速い。しかしこのところの空港での混雑とストレスを避けて余裕のある列車旅行を選ぶ人が増えている。また列車旅行ならではのゆったり感を楽しむ人や、環境問題を考え航空機を避ける人が多いという。ただし列車旅行は高いため、NSは数ヶ月前の早めの予約や人気がそれほど高くない行き先の予約を勧めている。

旅行会社TUI,夜行列車旅行を販売
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世界最大級の旅行代理店であるTUIグループの傘下にあるオランダTUIは、5月25日から欧州6カ国に向けた夜行列車旅行を販売する。月に数回運行する夜行列車は、オランダからコペンハーゲン、プラハ、ウィーン、ベニス、ミラノそしてフィレンツェを繋ぐ。TUIは、昨年10月から夜行列車を運行しているグリーンシティトリップ(GreenCityTrip)と共同でこの事業を行うという。列車はアムステルダムとユトレヒトから出発する。

TUIは現時点でも列車旅行パッケージを販売しているが、あくまでも国際列車とタリス(国際高速列車)のみを扱っている。これが夜行列車も提供するようになる。

列車はユトレヒトあるいはアムステルダムを16:30か20:00に出発し、目的地には次の日の8:00から11:00に到着する。TUIは格安の航空旅行を提供しているが、今後は環境に優しい列車旅行を増やす予定。

グリーンシティトリップは旅行会社フライワイズの子会社で、昨年10月から欧州各国の夜行列車旅行を提供している。夜行列車旅行の人気は高まる一方で、今年の4月から各列車に5車両増やしたり目的地を増やすなどサービスを強化している。今回のTUIとの協力で市場が拡大すると見ている。

TUIでの夜行列車旅行は5月11日から予約可能。また各都市での滞在を含む4泊5日のパック旅行も販売する。1日目と最後の夜は車中泊。

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