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採血ロボットで人手不足解消
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医療技術者や看護師の代わりにロボットが腕に注射して採血するのが可能になる。ユトレヒトの企業フィテストロ(Vitestro)が開発したロボット機械で、これが市場に出ると数百万人の採血が可能になる。待ち時間なし、人手なし、という画期的な機器である。化学療法などで血管が硬直している人への注射や採血は難しいが、これもロボットが正確に注射ができる位置を見つけることが可能だ。

フィテストロ社は現在EUの認定を待っているが、これを受け取ればすぐに開始が可能となる。人手不足で悩むオランダの病院やラボも導入を待っている状態だ。

ラボや病院のスタッフがまずバーコード付きの試験管をロボット機械に入れる。患者はロボットのスクリーンに出ている個人データを見て確認。その後ロボットに腕を入れると、消毒が行われ、人工頭脳と赤外線を利用し正確な注射位置が見つかる。もし注射位置が見つからない場合は、他の腕を試すよう指示が出る。一連の操作は機械の中で行われるため、注射針は見えない。

オランダでは10年後の2032年には13万7千人の医療従事者が不足すると予想されている。この血液採取や注射だけでも自動化することでかなりの人手不足が解消できる。


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病院従業員、15%の賃上げで合意、スト中止に。
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総合病院と労組は月曜日、20万人の病院職員の労働協約に関し合意に達した。数ヶ月におよぶ意見の不一致と対立があったが、昨日ようやく双方の合意となった。これにより4月に予定されていたストは中止となる。病院の従業員は長期時間労働と低賃金を不服とし抗議していた。

従業員はは3月中、抗議のために木曜日のシフトを日曜のそれに振り変えていた。4月にもストなどの抗議活動を行う予定だったが、これが中止されることになった。

労働組合は、オランダ病院協会 (NVZ) と協定を締結する。これにより団体労働協約は2年間締結される。病院側と組合は従業員が 2月1日時点で遡及的に 5% の昇給を受け取り、12月1日時点でさらに 5% の昇給を受けることに合意した。
2024 年6月1日以降も、最低賃金の従業員は再び 5% の賃上げが認められている。その他の従業員は、さらに 2%の給与増と180 ユーロを受け取る。仕事量についても合意がなされている。

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3月16日、オランダ全土64の病院でストが行われる。病院職員は賃上げを含む新しい集団労働協定(CAO)と木曜日のシフトを日曜日のそれに変えたいと要求している。この日は緊急治療以外のすべてのサービスが停止する。この日に予約の入っている治療や手術は他の日に振り替えられる。

労組は今年の10%の賃上げと交通費に100ユーロの加算を要求している。さらに過重労働の軽減も求めている。病院側は財政的にこの要求には答えることができないとし、2023年には5%そして年度末にさらに5%の賃上げを示している。しかし労組は2年間にわたる段階的な賃上げは認めないとしている。

病院職員側が求めているのは購買力を維持し労働の軽減だけだと労組は反発している。「毎日食料を買うことができ、この素晴らしい仕事を続けることだけが私たちの望みだ。」

病院の統括組織である NVZ によれば労組の要求を満たすために8億ユーロの追加予算が必要になるという。しかし政府の健康省カイパース大臣はこの追加は認められないとしている。コストの上昇と賃金の上昇に対処するために、すでに 30 億ユーロが病院に費やされているという。


ストが続くオランダ、今度は50以上の病院でスト、
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ゴミ収集、公共交通機関とストが続いているオランダだが、3月には50以上の病院でのストが計画されている。10%賃上げを要求する労組との交渉が本日決裂したためストに突入するという。病院側は財政的にこの要求には答えることができないとし、2023年には5%そして年度末にさらに5%の賃上げを示している。しかし労組は2年間にわたる段階的な賃上げは認めないとしている。

ストは3月中旬に予定されているが日程は未定。50以上の病院職員が参加する。ストが行われるとその日に予定されている手術などはすべてキャンセル。緊急治療のみが行われることになる。

労組側は急激なインフレとエネルギー費の上昇で、これまでの給与では生活ができないと主張。これに対し病院側は、この要求を受け入れるには8億ユーロの歳出が必要となり、病院はその財源がないと説明している。ただ病院職員の要求は理にかなっているとして、保険会社そして政府が1億ユーロを負担することを提案している。しかしこれが不可能となると、病院側は費用削減が余儀なくされ、人員カットが行われることになる。これは、オランダで長い間問題になっている「ウェイティングリスト」(病院での治療や手術を受けられるまでの待機時間)がさらに延びることを意味する。

オランダ10都市で夜間外出禁止令に反対する暴動。病院も襲われる
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日曜日夜、オランダの10市で土曜日夜から施行されている夜間外出禁止令に反対する暴動が起きた。このほか、アイントホーフェンとアムステルダムではコロナ規制に反対する違法デモが行われ、警察との揉み合いとなり多くの逮捕者が出た。エンスヘーデでは病院への投石事件が発生、ウルクでは土曜日にコロナ検査場が放火されている。

車に放火したり、爆竹を投げる、店舗を破壊するなどの暴動が起きたのは、アイントホーフェン、ハーグ、ティルブルグ、フェンロー、ヘルモント、ブレダ、アーネム、アペルドールン、ルールモント、ステインの各市。アイントホーフェンの警察によれば、夜間外出禁止令への反対が目的というよりも、鬱憤晴らしで警察と戦うための暴動という様相だったという。警察は放水と催涙ガスで暴動を収め、数百人を逮捕した。

アムステルダムでは日曜日午後15時、ミュージアム広場に約1500人のコロナ規制反対を唱える人が集まり大規模なデモが行われた。デモは市が許可しておらず違法だったため、警察が介入し騎馬隊と放水で参加者を抑えようとしたが、参加者は投石と爆竹で応戦。100人近くが逮捕された。

エンスヘーデにあるメディス・スペクトラム病院では、23時頃暴徒が窓に投石するという事件が起きた。病院はすべてのドアを施錠し、暴徒が中に入らないよう防御した。
ウルクでは、土曜日夜に数百台の車がクラクションを鳴らしながら行進し、保健所が開設したコロナ検査場が放火された。検査場は全焼。ウルクは人口あたりのコロナ感染者がオランダで最も高い市である。Urkでの放火事件動画
オランダでは23日土曜日から夜間(午後9時から午前4時半まで)の外出が禁止されており、少なくともこの禁止令は2月9日まで続く。

ユトレヒト大学病院で、15分で結果が出るコロナウィルスのスピード検査試験開始
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ユトレヒト大学病院は本日金曜日からコロナウィルスのスピード検査のテストを開始した。まだテスト期間なので、このスピードテストが実際にどの程度信頼がおけるものなのかを検証するのが目的だ。

検証で信頼度が高いということになれば、コロナウィルス検査を大規模に行うことが可能となる。デ・ヨング国民健康省大臣は11月にはこのスピード検査が全国で可能になりそうだと先週書簡にて発言していた。オランダでは検査キャパシティが大幅に不足していて、なかなか検査を受けられないという問題があるが、これが解決できる。

抗体検査と呼ばれるこのスピード検査は、現在行われているPCR検査と比較し正確さは劣るが結果は早く出る。妊娠検査と似たようなもので、結果は15分から20分でわかるという。この検査で陽性と判断されるとPCR検査を受けることになる。このスピード検査が信頼できるものであると判断されれば、より多くの人が検査を受けられるだけでなく、ひとりで何度も受けることも可能となる。
ユトレヒト大学病院での試験結果がわかるのは約3週間後。来週からロッテルダムのエラスムス病院などでもスピードテストの試験が始まる。

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