土曜日ハーグで大きなデモ2件、目的は?

国会や政府の主要機関が並ぶハーグ市で、土曜日2つの大きなデモが行われている。農業従事者の抗議活動と気候変動対策に関するデモである。

農家が抗議しているのは、政府の窒素排出規制と社会的な問題である。窒素排出規制で農地を売却したり事業を手放すことが強制されている農業従事者の抗議は昨年から続いている。組織しているファーマーズ・ディフェンス・フォース(FDF)は、他の社会的問題に関しても政府に対し抗議を行っている。たとえば、昨年大きな問題となった保育費助成金の強制返金問題や、フローニンゲンでのガス採掘に関する問題である。どちらも政府の政策の過ちに対し多くの国民が憤りを感じている。
農家は農業の象徴であるトラクターに乗ってデモを行う計画だったが、政府はこれを禁じている。

ほぼ同時に行われているのが気候変動対策に抗議するデモだ。エクスティンクション・リベリオン(XR)という気候変動アクティビストのグループが、一般の国民が気候変動に目を向けるために行うデモである。とくに、政府が行っている化石燃料を生産する企業への助成金や税控除などに対し怒りを表明している。XRはハーグ付近の高速道路A12を閉鎖している。

XR活動家によれば、オランダ政府は170億ユーロ以上を化石燃料に助成金として非課税措置を行っているという。たとえば、航空機が使用する燃料は非課税でこれだけで24億ユーロ、燃料の輸送も非課税でこれは15 億ユーロ。発電におけるガスと石炭に対する8億ユーロ相当の税金が免除されているなどだ。